ウダイゴ天皇

大学生ですよ

...

ポM 約230字

 

 

薄茶色の6人がけのシート

 

田舎町の車窓

 

 

 

どうやら乗り過ごした

 

車両には僕一人みたいだ

 

 

 

 

何気なく隣のシートを見る

 

じっと見つめている間

 

窓から入った陽が

 

端から端へとシートをさすった

 

 

 

電車がゆっくりと唸りながら速度を落とした

 

小さな駅に停まったが

 

乗ってくる人はいなかった

 

 

 

誰もいないなんて怖い

 

昔そうやってあなたは言った

 

懐かしい思い出

 

 

あたたかい陽気に満ちた車内と

 

どこか懐かしい田舎の風景が思い出させたのだろう

 

 

 

シートを見つめていた視線を窓に移した

 

何気なく隣のシートを見た訳を

 

知りたくは無かったから